【よく間違えられる】発達障害に関する誤解 5選

脳の画像

最近になってよく聞くようになった「発達障害」という言葉。あなたも一度は耳にしたことがあると思います。20人に1人が発達障害者だと考えられており、あなたの周りにもほぼ確実に何人かはいる感じですね。

誤った認識や行動によって生きづらさを感じていると考えられていますが、比較的新しい概念であり、言葉のニュアンスも微妙に変化しているので誤解されやすいものでもあります。

なので、知らない間に周りの人を傷つけたりしないためにも、正しい認識を持ちたいですね。今回は特に誤解されやすい5つの話題について解説していきます。

「発達障害」はグラデーションの考え方

まずは「障害」という言葉のニュアンスから見直してみましょう。よく「病気」と混同されがちですが、これらはもちろん違うものです。

病気というのは、数値や陽性反応などによって黒(病気の状態)か白(病気でない状態)かがはっきりするものです。それと比べて「障害」は黒白はっきりせず、グラデーションのような連続体である、という認識です。

なので、検査では発達障害的特性(性格や症状ではなく、特性という言葉がよく使われる)が強く出ているけれども、本人は気にしていないということもあります。逆に数値上は健常者に近いけれども、本人は病むほど生きづらさを感じている、なんてこともあります。

いわゆるグレーゾーンというものです。真っ黒か真っ白だけではなく、その間のグレーな状態もあり得るというのは、この考えによるものなのです。

発達障害は「治す」ものではない。

前項で「発達障害は黒白はっきりしないグラデーションのようなもの」という風に認識を改めました。病気は黒よりも白の方が良いわけですが、発達障害に関しては必ずしもそうとは言えません。その理由を見ていきましょう。

治すという言葉には「元の状態に戻す」という意味が含まれています。元の状態=健康で病気はそこから悪い方向に変化した状態だから戻すことが大事、という考えになるわけです。

ところが、発達障害は先天性(うまれつき)のものなので元の状態に戻す、という考え方ができません。つまり、

「発達障害的特性が強く出ているから治すべき」

という考えは誤っているわけです。もちろん、本人が改善を求めているのであれば、何らかの処置はなされますが。

本人が何かしらの生きづらさを感じるのは環境による部分が大きいです。ここでいう環境とは家族や職場、学校などの人間関係のことです。なので、「治す」というよりも適切な環境に置くことが大切になってきます。

この項目で「先天性」という言葉が出てきたので、これに関係するテーマを次項でお話ししようと思います。今まで以上な微妙なニュアンスを含んでおり、難しい内容なのでここで一回深呼吸をしておきましょう。

発達障害に親は関係ない、なんてことはない。

多くの本や動画では「親は関係ない」と言われています。これは全くの誤りです。というより、非常に重大な誤解だと私は思っています。

そもそも、発達障害は先天性のもので遺伝的な要因もあるので、親が全くの無関係、ということはあり得ません。

では、なぜこの「親は無関係」という言葉が広まったのでしょうか。

それはママ友いじめを減らすため、だと思います。

一昔前は、発達障害の子供を持つ親(特に母親)が保育園などで他のママから「あの人は子供のしつけができてないんじゃない?」という冷ややかな視線、言葉で責められることが多く、それによって子供も親も居場所を失ってしまっていました。

ところが発達障害は先天性のものなので、(一般的な)しつけをしていたとしても障害のある人はその特性が出てしまいます。「親の育て方は発達障害の特性がでることとはあまり関係がない」ということですね。

これが拡大解釈され、違う意味になって広まっていったわけです。

けれども、研究が進んだ今、発達障害の子供には療育という手法が有効であること、親の生活習慣(食事や睡眠)が大きな影響を与えることなどがわかってきました。

なので、誤った意味での「親は関係ない」という言葉が広まるのは、むしろ危険である、とも考えられます。

原因は「特定」できていないだけ。

では、前項に続き発達障害の原因についてもう少し見ていきましょう。

発達障害に関して「脳機能の障害とか言っているけど、原因となるものの科学的な根拠はあるのか?」と訴える人もいます。これに対して私は2つの考えがあります。

まず、原因というものについての考えを改めてほしいです。原因→結果が1対1で対応しているとは限りません。発達障害に限らず、うつ病や自殺なども同様ですが、複数の要因が合わさってそれが発達障害やうつ病や自殺といった形となって表れてくる、と考えられています。

それともう一つ。医者や研究者が観測できるのは結果として現れた形だけであり、それが原因なのか、結果なのかを知ることは非常に難しい、ということ。つまり、他に原因があって発達障害になったから脳機能に異常が現れたのか、脳機能に異常があるから発達障害になったのかは厳密には分かっていない。

現状で言えることは、発達障害に関係している要因は少なくとも100以上あり、それらが複合的に合わさった結果として発達障害的な特性を生み出している、ということです。

「社会が作り出した病気」の本当の意味

以上のようなことを言うと、「それって精神科医が薬を売って儲けるために作り出した、社会が作り出した病気なのでは?」という意見が出てくる。

結論から言うと、これも誤り。発達障害は薬で改善される人ももちろんいますが、そうでない人もたくさんいます。私も診断はされていますが、薬は飲んでいませんし。

先ほどもお話ししましたが、生きづらさは環境=人間関係によります。つまり、人間関係の在り方や人々の考え方次第で「障害」にはならなくなる、ということ。これが社会によってつくられる、ということの本当の意味です。

まとめ

いかがだったでしょうか。「あぁ。そういうことだったのか!」とびっくりするようなこともあったと思います。

最後に今回の内容をおさらいしておきましょう。発達障害はグラデーションのようなもの。だからグレーゾーンという考え方ができる。

治す、という考え方ができない。適切な環境に置くか、能力を向上させる。

育て方はそれほど重大ではない。生活習慣が大きな影響を及ぼす。

原因は1つではない。たくさんの要因が合わさって形になる。

生きづらさは周囲の人間関係による。個人の考え方が変われば多くの人が生きやすくなる。

今回は発達障害における基本的なことがらをお伝えしてきました。しかし、本来はもっともっと深いものです。当事者や周囲の人にとって有益な情報をどんどん提供しますので、このブログで学んだことをぜひ、生活の中で取り入れてみてくださいね。